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宝塚星組公演「赤と黒」観劇日記 @日本青年館 

19世紀フランス。
スタンダール原作の長編小説『赤と黒』は、実際に起きた事件を基にしながらも、主人公となる野心的な青年ジュリアン・ソレルの繊細で誇り高い個性を大きく膨らませ、その成功と挫折、恋愛と当時の政治的背景にいつの間にか興味をひかれ、この後がどうなるのか、はらはらしながら一気に読み進んでいってしまう魅力を持つ本です。
心の声が、多用される( )で表されるのも、わかりやすく、面白さを盛り上げる一因です。

その原作の香気を引き出し、ロマンティックな舞台へと作り上げていく宝塚歌劇 赤薔薇
この作品は、じつに“宝塚らしい”舞台となり、観客の心をつかみます。

   ポスター写真
↑公演プログラムの上に本をのせて撮影

ネタバレありですので、これからご覧になる予定で詳しくお知りになりたくない方は、読まないで下さいね。

初めて訪れた日本青年館
開演前に何かいつもと違う違和感を感じます。幕が開く直前のオーケストラボックスから流れてくる音あわせの響きがないからだわ~、と気づくと同時にとうこさんのアナウンスが。

舞台は1830年。ナポレオンが没し、王政復古がなったフランスの地方都市…期待と不安が膨らみます。

何が不安?
ジュリアンは22,23歳くらいの青年。若く純粋で自尊心が高く、一途に突き進んでしまう喜悲劇を、ベテランのとうこさんがどう演じるか。イカロスの頃のとうこさん、あるいは今なられおんくん位の年代の持ち役ではないのか…。

ポスターの写真を見た時に感じた一抹の不安は、幕が上がると同時に吹き飛びました。

とうこさん若い!

すご~い。ちゃんと初々しい若者になっています。
髪型、メイク、動きも。若い~。
アイーダの時もランブルーズの時も、あまりに似合っているのに驚きましたが、今度もすごい。純粋で情熱的で。怒る、とまどう、恋に落ちる、自信にあふれる等々、いくつもの表情がしっかりジュリアンに見えます。
同じ青年であっても、ついこの間まで舞台をかけまわっていた魅力的なダーティーヒーローのティリアンの面影は、この舞台のどこにもありません。素晴らしい。

宝塚劇場との違いを感じたのは、客席の反応。
宝塚はリピーターが多く、何度も劇場へ足を運び、次はどんな台詞なのかどこで拍手をするのか知り尽くしている感があるのですが、今回は上演回数が少ないこともあり、初日に近いこともあってか、なんとなく “みんなで初見”という印象。
それがとても素直な反応となり、面白い所で笑い、感動した所で大きな拍手となり、とてもいい雰囲気でした。

そう。決してコメディではないはずの「赤と黒」は、とても素直に笑えるツボが多く、濃厚なラブシーンとのアンバランスがまた面白く、オペラグラスのあがる頻度も高いという珍しい舞台です。
拍手が大きい、大きい。 

柴田侑宏氏の脂ののりきった時代の脚本が、とうこさんをはじめ演技達者な星組生の力をうけて、古さを感じさせることなくいきいきとした青春像を生み出しました。

ヒロインのレナール夫人あすかちゃん。“3人の子持ちの人妻の初恋”という難しい役どころを、説得力のある演技で好演。
美しいお衣装がよく似合い、貴族の奥方の上品さを保っているため、ゆれる心は「不倫」という言葉に落ちることなく「恋」に浄化されていきます h-1

次に重要な役は2番手男役ではなく、もう一人のヒロイン、マチルド
組替えになっていきなりの大役のねねちゃんは、高慢なパリ随一の美しさを持つ貴族の令嬢でありながらジュリアンに屈折した愛情を抱く、という複雑な役で堂々とデビュー。役の持つ雰囲気をよくつかみ、パズルの一つのようにこの舞台にうまくはまりました。

実は私は初演の舞台を観ているのですが(カナメさんの再演は未見)、当時は主演娘役という定義がなく、ヒロインのレナール夫人だったハッコさん(舞 小雪/この人の美貌は並外れていました)は「バレンシアの熱い花」ではシルヴィアを、マチルド小松美保さんは「バレンシア」ではヒロインのイサベラを演じるという逆転現象が。

今回の舞台では、あすかちゃんねねちゃんの学年差が良い意味で役柄にあい、どちらも魅力的に思えたのはよかったです。マチルドの扱いは重く、フィナーレの時もれおんくん、ねねちゃん、あすかちゃん、とうこさんの順だったのには驚きました。(芝居の続きとしてはこの流れがスッキリ落ち着きます)

そのれおんくん
楽しみですねー。舞台を観るたびに、どんどん大きくなっているような気がします。2番手として、多くの役を経験してもらいたいですね。
その立ち姿の堂々とした様子は群をぬいています。貴公子集団の中心として、光っていますね~。
フーケの実直さ、コラゾフ公爵の貴族らしさと上手く演じ分けていました。公爵の方は、もう少し“恋のベテラン”として「すれた」感じを出してもよかったかなー。

レナール氏しいちゃんは爽やかでした。
思ったより若いかな?と思いましたが、子どもが小さいことを考えるとあのくらいの年代の役作りで正解かも。レナール氏が好人物なため、レナール夫人がうしろめたさを覚えるのにちょうどいい感じです。
ジュリアンとの関係が発覚した時はもう少し激怒した方がいいのかな?
“貴公子軍団”からはずれてしまった形だったので、もったいない、と思っていましたらフィナーレでしっかりダンスに加わっていました。かっこよかったです。

マチルドの兄、ノルベール伯爵涼さん。軍服がとてもよくお似合い。華があります。

マチルドの婚約者クロワズノワ侯爵和さん、本当に美しい!目が釘付けになってしまいます~。
ラ・ジュマート侯爵彩海さんもきれいです。

意外に大きな役なのがメイドのエリザ。「エル・アルコン」のガサガサした役が気の毒だった稀鳥まりやちゃんがしっかり演じていました。これからが楽しみな人です。
このエリザ、確か初演ではマチコちゃん(北原千琴)が。「ベルサイユのばら」初演のアントワネットの少女時代の愛らしさは、いまだにそれを上回る人はいません。懐かしい…。

舞台装置は大掛かりなものを使っているわけではないのに、一幕と二幕はがらっと変わり、パリの貴族のサロンの雰囲気がきちんとでていたのがとてもよかったです。
大劇場ならここで盆が回るかな~、ここでせり上がるかな、とか思いながら観た所もありましたが、小劇場で十分見ごたえのある舞台となっていました。

赤と黒」は、本当に数日間で終わってしまうのがもったいないよくできた舞台。
もっともっと大勢の人に観ていただきたい面白さです。
トップからずらずらずらっと主要男役が勢ぞろいしているのも驚きですが、舞台を引き締めているのは専科の萬さん、磯野さんをはじめとする大ベテランの方々。落ち着いた演技によって支えられ、とうこさんもさらに輝きます。

あ~、もう一度観たい!こんなに夢中になって拍手をしたのは久しぶりかもしれません。
とうこさんの代表作(のひとつ)といっていいでしょう~。

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